Monday, July 27, 2009

悲しきYou'll never walk alone。

昨日はシンガポール代表とリバプールの親善試合が行われた。
そのさま、まさに「狂想曲」、であった。

翌日の新聞 1(PDF)
翌日の新聞 2(PDF)

「ちょっと早めに行こうか」
ということで副社長とクルマでスタジアムに到着したのが約1時間半前。
今回試合の行われるスタジアムはシンガポールナショナルスタジアム。
数年前から取り壊し&改築が決まっているものの毎年ビッグイベントが行われるため
なかなか改修作業に踏み切れない6万人収容の巨大なスタジアムである。

そこは既に、
ヒト、ヒト、ヒト。
クルマ、クルマ、クルマ。
凄まじき混雑ぶりである。

仕方なく先にクルマから降ろしてもらったのでウロウロしていると、
シンガポール人たちが皆、深紅のリバプールのシャツを着ている。
「皆」というのは決して大げさではなく、
一般のお客でシンガポール代表のシャツを着ていたのは見渡す限り、皆無。
コレナガのようにシンガポール代表のシャツを着ていたのは(背番号12 KORENAGA)、
協会関係者の数名のみ…。
その他はリバプールのシャツとスカーフ。
自国代表との対戦だというのに、誇らしげに他国のクラブチームを励賛している…。

受付で「これでいいの?」と協会の広報に話しかけると、
「いいんです。シンガポール代表は赤ですから。シンガポール人は両方を応援しているんですよ」と、
完璧に苦笑いしながら答えてくれた 笑


(開始1時間前…。浦和の試合みたいだ…)

なるほど。確かにスタジアムを真っ赤に埋めた光景は素晴らしかった。
まるで国立競技場での浦和の試合を見ているかのようだ。
どこからともなくリバプールのチャントが歌われ、それが全体に伝播していく。
さすが、英語圏の国だなあ、と。
日本だったら英語が分かんないから、チャントが響くなんてことは一部を除いてあんまりない。

開始30分前からウェーブが起こり、またしても苦笑い。
どうなってんだ…。

近くにいたSリーグ関係者に聞くと、
「リバプールはシンガポールで一番人気があるのよ」
とのこと。
てっきりマンUだと思っていたのだが、そうでもないのか。
(このイベントだけなんじゃないのか?と邪推も働くけれど。)

20分前になってようやくリバプールの選手たちがピッチに出てきて、
軽~くアップ。
試合も軽~く。
で、0-5でリバプール勝利。
何なんだ、これ。

シンガポール代表がホーム色の赤を着ていたから(リバプールは黒だった)
まだ何となく慰められたけれど、
自国代表よりも他国クラブチームを声を枯らしながら応援している姿。
何となく悔しくなってひたすらビールを流し込みながら見ていた。


WCCF 2007-2008 WFW2 フェルナンド・トーレス WFW2/5 リバプール [疾風の一撃]
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1 comment:

  1. サッカー版帝国主義的侵略

    文:大住良之(サッカージャーナリスト)

    「日本のサッカー」をテーマとしている私の取材対象は主としてJリーグと日本代表だ。その結果、「海外取材」というと、アジア各国になることが多い。

    そのアジア取材で、ここ10年間ほど気になっていることがある。アジア各国、とくに東南アジアや中国などで、ヨーロッパのサッカークラブのレプリカユニホームを着ている若者が驚くほど多いのだ。

    マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、バルセロナ、ユベントス、アーセナル、チェルシー…。東京の街角でも、ACミランなどのファッショナブルなトレーナーやウインドブレーカーを着ている若者をよく見かけるようになったが、東南アジアや中国ではそのものずばりのユニホームを誇らしげに着ている若者がぞろぞろいる。

    「気になる」のは、いや、もっと正確に言えば「暗澹たる気持ち」になってしまうのは、「帝国主義」、「植民地化」という言葉が浮かんできてしまうからだ。

    東南アジアの国々で最も人気があるのはサッカーだ。そしてどの国にも、立派な歴史をもつリーグと、激しく競い合うクラブがある。ところが、マレーシアのクアラルンプール、タイのバンコクといった「アジア・サッカーの首都」(少なくとも1980年代までは間違いなくそうだった)と言っても過言ではないような都市で、若者たちは地元のクラブのユニホームなどに見向きもせず、ヨーロッパのクラブのレプリカに走っているのである。

    中国を含め、こうした国ぐにでは、UEFAチャンピオンズリーグ、イングランド・プレミアリーグ、スペイン・リーグなどのテレビ放映が行われ、若者たちを熱狂させている。その一方、国内リーグは観客数の減少に悩み、レプリカユニホームの販売などほとんど皆無といった状況になってしまっているのだ。

    このふたつの現象には明確な因果関係がある。すなわち、たとえばタイという国の「サッカー市場」が、ヨーロッパのサッカーに奪われてしまっているということなのだ。サッカー好きな若者たちの関心とサイフが、地元バンコクのクラブにではなく、レアルやユナイテッド(タイではマンチェスター・シティも関心が高い)に向けられているのだ。

    そしてレアルやユナイテッドは、タイの放送局が支払う高額の放映権料やファンが買うレプリカユニホームなどの売り上げで丸々と肥え太り、世界中から飽くことなく「財宝(天才選手たち)」を買い集めている。「サッカー版帝国主義的侵略」以外の何物でもない。この状況を何とか打破しなければ、アジアのサッカーの発展はない。

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