Thursday, March 25, 2010

放り込み、カッコワルイ。

ワールドカップ前だから、という理由なのだろうか、
サッカー関連の書籍が多数発刊されている。
単純にこの事実だけであれば風物詩的な理解でいいのだろう。
しかし、今年は発刊される書籍の内容がこれまでとやや違っている気がする。
未読の書籍も多いので何とも断言し難いのだが、
タイトルから判断するにどうもネガティブな内容が多いなあ、と。

1998年から数えて4回目の出場となる南アフリカワールドカップ。
これまでの3大会で歓喜(2002年は快挙に位置するはず)と
苦渋(言うまでもなく1998年と2006年)を味わった。
そういう意味では観戦者の目がこなれてきたのかもしれない。
だから、サッカーファンたちが今大会に臨むに当たり、
日本代表の現状を見て「心の準備」をしているのか、
あるいはその需要を編集者たちが感じ取っているのか。
いずれにしても楽観的な内容の本が見当たらない。


ざっと並べてみる。


「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理
「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理森田浩之

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世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス〜イタリア人監督5人が日本代表の7試合を徹底分析〜 (COSMO BOOKS)
世界が指摘する岡田ジャパンの決定的戦術ミス〜イタリア人監督5人が日本代表の7試合を徹底分析〜 (COSMO BOOKS)
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日本サッカーが世界で勝てない本当の理由 (マイコミ新書)
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いやまあ、確かに日本代表の内容が良いとは思わないけれど、
まだ始まってないのにそんなシニカルにサッカーを見ることないのになあ、と思う。
コレナガは日本人として日本代表を絶賛大応援します。はい。
何と言ってもW杯はお祭りなわけだし、サッカー界の未来のためにもここで勝つことは重要。


で、勝つために。
ここで何度も書いていることだが、サッカーは点を取るか取られるかのスポーツ。
ボールキープ率で勝敗が決まるわけではない。
もしルールがそうだったら日本人の技術であれば結構簡単にベスト4に入れると思う。

この間、ウチのクラブマネージャーと日本サッカーについて話をした。
彼はルーマニア人でSリーグで10年くらい前までプレーしていて、
得点王になりかけた(本人は得点王だと言い張っているけど 笑)元FW。
「後ろでパスを回してれば10回中10回パスはつながる。で、今日はミスしなかった、って喜ぶのはフットボールじゃない。10回トライするパスを出したら、3回しかチャンスを作れないかもしれない。7回はカウンターを喰らうかもしれない。けど、そうしないと点を取れないから勝てない。日本人はミスを怖がっている」
と鋭いところを突かれ、圧倒的に同意した。

キーワードは選手個々人のタテへの「推進力」なのだと常々思っている。
欧州トップで活躍できる選手たちにはまず間違いなく「推進力」が備わっている。
中田英寿の相手に体を預けながらの強引なまでの突破とスルーパスとミドルシュート。
今もなお、日本最高の「推進力」を持った選手だったと思う。
オーガナイザーとして表現されることの多い長谷部誠だけれど、
機を見たタテへのドリブル突破はチームに素晴らしい影響をもたらしている。
モスクワで貪欲なまでにゴールを狙う本田圭佑。
彼もまた、現在の日本代表において圧倒的なタテへの「推進力」を持っていることに疑いの余地はない。

横パスを回しながら「ゴールから逆算して」なんていうことを考えていたら、
現代サッカー、いや過去においても、相手の陣形が整ってしまう。
大事なのは「早くゴール前にボールを運ぶ」ということだ。
相手ゴール近くにボールがあれば、それだけゴールのチャンスが増えるということだから。
前述した3人はそんなことができる選手だ(った)。

バルサのパス回しは確かに美しいのだけれど、彼らのサッカーは彼らだからできるものでもある。
あれほどの技術を持たない通常のチームであれば、パスの本数だけリスクが増える。
ミスはどうしたって出るものだから。
そして、そのバルサにしてみたって、早くゴール前に運ぶということは強く意識している。

欧州トップリーグの半数以下、そして2部リーグ以下のチームは、
基本的にロングボール中心のサッカーをする。
そして、1対1のタマ際の争いが勝負の分かれ目となる。
日本人の目には退屈に映るかもしれないけれど、
例えばイングランド人は激しいボール奪取のシーンに大興奮する。
その他の国にしても大差はない。
極論してしまえばそれが世界のサッカーのスタンダード。
試合に勝つことが重要なのだ。

もしかしたら「放り込み、カッコワルイ」、
なんて言ってるのは、日本人だけなんじゃないだろうか。


あ、ポジティブな内容にするつもりだったのだけれど…。

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