Thursday, May 27, 2010

何のためにサッカーをするんだろう?

日韓戦を終えてにわかにワールドカップが盛り上がってきているのを感じる。
海を挟んでもネットなどで日本代表の話題が毎日モリモリ出てくるのを感じることができて嬉しい。
たとえその理由が日韓戦での(一般的に、そしてスコア的には)ショッキングな敗戦だったとしても、
いよいよ日本人のマジョリティにも当事者意識が芽生えてきたのかなあ、などと思っている。
「好意」の反対は「無関心」。
そういう意味では色んなところから声が上がってきたことは、
素直に歓迎すべきことなんじゃないかなあ、とも思う。

さて突然だけれど、今の日本代表を見ていると、
「何のためにサッカーをしているんだろう」、と考えることがある。
コレナガ個人としてはいちサッカークラブを預からせてもらって3シーズン目。
これまでも何度もこの問題で悩んだことがあった。
結論、当たり前だけどサッカーは「勝つため」にやるもんだと確信した。
どんなに非現実的な理想論や空想論を語っていても、最終的にはここに帰結する。

コレナガの立場としては一般的なサッカーファンよりもシビアに結果が求められるので、
少々「勝利」への欲望度合いは強いと思うのだけれど、
勝たないと何もかもが継続できないのは痛いほど実感している。
ビジネス上のモロモロはもちろん、選手たちのモチベーションも彼らの次へのステップも含めて。
そりゃ確かに「良い試合だった」、「次につながる」なんて言葉は
とりわけ「努力=結果」とは言い切れないスポーツの世界なので当然あって然るべきかとも思うのだが、
そのどことなく責任をぼかしているような甘ーい言葉たちも、以降の勝利へと確実につながっている。
つまり、勝つために良い試合をしたのだし、勝つために次につなげた、と言い換えられる。

もちろん、サッカーは叙情的な一面が強いスポーツだ。
閃きからのパス、高い身体能力を生かしたドリブル、嗅覚を全面に押し出したシュート。
美しいモノは美しい。
「同じゴールは一つとしてない」からこそ、一瞬のきらめきがはかなく輝く。
結果とは別の部分で評価される場合も多々ある。
しかしだからこそ、美しく、そして同時に、結果を出すことが最高に評価されるのではないだろうか。

ただ一方、それってそんなに簡単なことではない。
美しく(これが国民性による主観の違いもあるのでさらにややこしい)
勝つのが一番嬉しいし楽しいに決まっているんだけど、
クライフ信望者のコレナガも当然そう思っているんだけど、
それってそんなに簡単でないことはみんな分かっている。
(イタリアは「勝利=美しい」、みたいなある意味羨ましい国民性…)

でも実際はバルサ、マンUみたいなサッカーができるのは世界の一握りしかチームしかない。
ユーロ2008のスペインだって勝ったから良かったものの、
これでGL敗退なんてしていたら「あのサッカーは大失敗」ということになっていたかもしれない。
スペインのスゴイところは「勝つため」にあのサッカーをやりきって、「勝った」というところだ。
だから素晴らしい評価へとつながっている。

翻って日本代表。
あくまで
・ワールドカップに出場できることが当たり前、
・グループリーグ突破ができるかどうか怪しい
という設定の上での、極論。
1)日本人の好きそうな美しい(これも主観)パス回しや高い技術をピッチに散りばめて、GL敗退。
2)どん引きカウンターだろうが何だろうがリアリスティックなサッカーを見せて、ベスト16進出。
単純に言えば、これ、日本人にとってどっちが幸せなんだろうか、という話。
その答えが冒頭の「何のためにサッカーをするんだろう?」という議論。

もしかしたら設定の基準が適切ではないかもしれない。
例えば1)で「ワールドカップに出れなかったら」、がくっついた場合、
アンケート結果は大きく変わるのだろう。

ただ間違いなく言えることは、この選択がサッカーの将来に大きく影響してくるということ。
仕組みの話だが、当然強ければ強いほど(景気がスポーツを左右するという話は置いておいて)、
そのスポーツには耳目が集まり、ヒトが集まり、結果としてカネが集まる。
そうすればさらなる高みを目指して資金を投入できる余裕へとつながり、
最終的には魅力あるサッカーを展開して勝つ、
という理想的なスパイラルを形成していく「可能性」がある。

だが、1)を選択してあっさりと負けてしまった場合、
例え素晴らしいサッカーを見せて「良いサッカーしたよね」、「内容は抜群だった!」
そんなもんサッカーファンにしか分からん、というオチが待っている。
これではスポンサーさんもよく分からんので集まらないし、
結果としてサッカーファン以外の日本人のマジョリティはサッカーへは集まってこない。
だからカネも集まらない。

2)を選択した場合。
日本が圧倒しているアジア予選でたまにコロっとやられたりするのがこのパターンだ。
これを選んで急激にレベルが変わるわけもないのだが、
少なくても勝利する可能性は高まると思っている。


今さらながらまとめると、
「こういうサッカーがいいよね」
「日本人の国民性に合うスタイルってこうだよね」論の前に、
現在の日本代表の世界でのポジションってどれくらいなんだろう、って考えなければならない。
なぜなら、サッカーは相手があるスポーツだから。
そして現在はサッカー先進国ではない日本は、
まだまだ何としてでも勝利を目指さなくてはならない時期だと確信している。
聞き心地の良いオシャレな戦術論を語っているタイミングではない。
アトランタ五輪でのブラジル戦のように、
選手一人一人がシャツを泥だらけにしてぶっ倒されながらも何度も何度も相手に向かっていく気持ち。
それを出し切った上で、勝てるかどうか。
今の日本はそういうレベルだと思っている。

岡田監督の目標、多少一人歩きしている感はあるけれど「ベスト4」。
大いに結構だと思うし、応援したい。
しかし、本当にベスト4に行きたいのであれば、そういうサッカーをすべきだ。
サッカーで最も点が取れる可能性が高いのは「速攻」。
(これ、データでも出ていること)
どん引きカウンターで上手いこと点が取れればラッキーというスタイルであれば、
ベスト4進出の可能性はある、と思っている。
(上記アトランタ五輪のブラジル戦をトーナメントの最中に何度か繰り返すということ)

しかし、である。
例え全力で応援しているつもりでも、今の中途半端なスタイルでは厳しい、
と心のどこかでは思ってしまう。
パスを増やせば増やすほどリスクが増えているのが現状だしなあ。
うーん。

岡田監督は横浜Mでもかなりリアリスティックなサッカーをしていた印象があるから、
やってやれないことはないと思うんだが。

とにかく、
国と国との戦いの場であるワールドカップに臨む日本代表であれば、
「何のためにサッカーをしているのか」を意識し、
結果としてよりいっそう勝利を求めて戦って欲しいものだ、とは思う。


で、オチとして。
こんな本があった。

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2 comments:

  1. 驚きました。サッカー知らないんですね。素人じゃないですか。

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  2. わはは。当たり前のことを書いたつもりでしたが。

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