Monday, March 14, 2011

たかが、サッカー。

日本中で大変な事態になっている東日本大震災。
今後数十年に渡って日本全土を揺るがす災害となることは明らかです。

その瞬間、コレナガはタイのピピ島というところにいました。
レオナルド・ディカプリオが主演の「The Beach」という映画の舞台にもなった、
地球最後のリゾートと言っても過言でないほどの綺麗な海があります。
某日系企業の方に紹介されて、仕事というか遊びというかそんな浮ついた気持ちでピピ島にいました。
これまでサッカーのない場所には行ったことが無かったコレナガにとって、
正真正銘、初めてのリゾートでした。

短パンサンダルで街をブラブラしていると、
簡単な昼食を食べていた屋台のようなとてもキレイとは言えない店の店主が、
血相を変えてTVを指さしています。
そこには泥々とした大津波が何もかもを飲み込んでいく映像が。
家、クルマ、ビニルハウス…。
そして店主はカタコトの英語で「ジャパン、ジャパン」と言っているではありませんか。
一瞬、何が起こったか分かりませんでしたが、町中のTVが津波の緊急放送へと切り替わっていて、
あちこちで「ジャパン」と声をかけられてようやく認識を確かにしました。

日本で大変なことが起こっている――。

ピピ島ではスマトラ沖地震の影響で2004年12月に津波の被害を受けています。
最も栄えていた通りが全て破壊されるなど、観光資源に頼っている町としてかなりの影響を受けました。
それで津波に対する意識が高いのでしょう。
土産物屋、屋台などで次々と心配する声をかけられました。

宿に戻りTVをつけて衝撃的な写真や映像を見ると、全てが絶望的。
東北地方にお住まいのたくさんの方々の顔が頭をよぎってそのままTVとネットに釘付けとなり、
続々と入ってくる悲惨なニュースに「ああ」とため息をつき続け、ほとんど眠ることができませんでした。

翌日、ホテルを後にし、津波の影響なのか荒れたボートとフェリー、そして飛行機でシンガポールに戻ると、
今度は原子力発電所の悪いニュース。
目の前が真っ暗になりそうでした。
実家(千葉)の家族のことも気がかりとなり電話して「早く避難してくれ」と言うのに、
「大丈夫。TVでは言ってないから」と。
報道規制がかかるであろうTVからの情報は参考程度とすべきだし、
一方で海外のメディアは大々的に刻一刻と進む危機的状況を取り上げているし、
災害時は常に最悪を想定して動かなければならないのに…。
なんてことをあっちいったりこっちいったりで考えていると、情けないことに、発熱。
夜には熱は39℃に近づき、幾度となくトイレに行って吐き、と繰り返しました。
被災地の方々がこんなものとは比べものにならないほどのストレスに苛まれていることを想像すると、
胸が痛くてどうしようもなく苦しくなって、いてもたってもいられません。

そして、その翌日にはSリーグ公式戦。
「サッカーなんてやってる場合か?」
「海外でのうのうと暮らしていて良いのか?」
「こんなことをしているよりももっと日本に貢献する方法があるんじゃないのか?」
と、悶々とするばかりで結論が出ません。

しかし、試合直前になって思い出しました。

コレナガはこんな仕事をしながら昔から言っているのですが、
サッカーなんてものは「たかが、サッカー」です。
極論すれば、お互いのゴールに向かってボールを蹴飛ばしているだけのスポーツです。
人間の生死には関係ありませんし、本質的に生活には関係ありません。

ところが、です。
そんな「たかが、サッカー」が、
これまでの歴史上、世界中のあらゆるところで無限大の可能性を見せてきました。

紛争をストップさせたこともある。
政治をまとめてしまったこともある。
そしてもちろん、瓦礫となった町の復興のシンボルになったこともある。

絶望や憎しみや情熱と愛情といった人々のカオスな感情を、
勇気と希望、つまり未来へと昇華させられることができるスポーツなのです。

日本にいたときは日本の嫌なところばかりが目についていましたが、
海外に来て、
3年以上も住ませてもらって、
日本という国が大好きになり、
誇りを持って、胸を張って「日本が好きだ」と言えるようになりました。
本当に幸せに感じています。

アルビレックス新潟シンガポールは、
日本人だけで海外リーグに所属する世界で唯一のプロスポーツクラブです。
だからこそ、小さな小さなクラブではありますが、
何とかして、「たかがサッカー」の持つ全ての可能性を愛する日本という国に捧げたい。
そう、誓いました。


最後に、昨日コレナガを勇気づけてくれたYou Tubeのリンクをいくつか貼ります。
日本のサッカーはこれまで、スゴいことを成し遂げてきました。
少しでも、苦しんでいる方々の勇気となりますように。
そして、少しでも多くの方々の命が救われますように。











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