Monday, January 31, 2011

アジアカップの収穫。

見事「アジア王者に返り咲いた」日本。…というか、追い込まれながらも勝利するというストーリーで「やっぱり日本は強かった」と思わせるに十分な大会であったことから、「アジア王座を防衛した」という表現が近いのかもしれませんね。当たり前だけどアジアカップの立ち位置はユーロだしコパアメリカなんですよね。改めて、これってスゴイこと。


さて、今大会にも多くの収穫がありました。

中でも大きな果実は「アジアサッカーへの見方と意識が変わった」ということでしょうか。それは、日本人のサッカーの関わり方が変わるエポックメイキング的な出来事だった、と言っても大袈裟ではないと思います。

そもそもサッカーに限らずアジアを軽視しがちな日本。アジアサッカーに関しても「たいしたレベルではない」、「日本がトップで当然」、「他のアジアの国とは(いくつかの国を除いて)圧倒的な実力の違いがある」などと思っていた傾向が強いと思うんですね。しかし実際には1998年から4大会連続でW杯に出場した程度の実績しかない(これを否定するつもりではありませんが)わけで、それまではアジア予選すら突破できなかった。世界で観れば新興国の一つにしか過ぎません。

けれど何故か、アジアを軽視する。大衆の意識に大きな影響を与える「報道」の中でもアジアサッカーの特集はほとんどありません。それは情報がないのではなく、情報を収集しようと思っていないから。現地の新聞などでは毎日、自国リーグや代表チームの情報が踊っているのに。(そもそもアジアカップもアジア大会もその違いがよく分からなかった日本人も多かったのではないでしょうか。サッカーファンを自認している方も含めて。)

アジアのそれと比較すれば遥かに厳しい欧州予選をくぐり抜け、ほぼ全ての大会に出場している、例えばドイツ、イタリア、スペインなどの欧州列強とは、実績も、もちろん実力もまだまだ差があります。

もちろん、TV放映の関係で欧州リーグをよく目にする多くの日本人にとっては、欧州のレベルがスタンダードであり、憧れであり、目指す最終的なゴール。翻ってアジア程度のレベルは二の次であり、予選など当然突破するものであり、単なる踏み台に過ぎない、と。そんな意識も、アジア軽視のイメージを無意識のうちに植え付けてしまった可能性が高いと思ってます。

これが、今大会で変わった。
少なくとも、変化の兆しをコレナガは感じています。

アジアカップの蓋を開けてみれば苦戦の連続。レバノンやシリアといった強豪国とは認識していなかった国々に対してもギリギリの勝利が続き、結果だけを観ている人は「おや?日本代表は弱いのかな?」と思った人も多かったかもしれません。韓国、オーストラリアには一方的に攻められる時間があったにも関わらず、何とか勝利することができた。とりわけ両国には選手の個人能力で「もしかしたら日本が劣ってるかもしれないな」という瞬間がいくつもありました。けれど、チーム一丸となって「絶対勝つんだ!」という意志を全面に出して勝利したことに、日本中が心を揺さぶられたわけです。

また、南アワールドカップでの善戦で久しぶりに世間一般からの注目が集まったことで、アジアカップの視聴率もかなり良かったと聞いています。これは、サッカーファン以外も含めた多くの日本人たちが心を揺さぶられたということです。そういった多くの皆さんに対して、かえって苦戦することによって日本代表はドラマを見せてくれた。それこそが、意識の変革を促すのです。

この大衆の皆さんのアジアに対する意識の変化が、日本代表を強くする(=W杯で勝利する)ことに大きな影響を与えるのです。ドラマはドリームとなって、ビジネスへとつながります。ビジネスとなることでそこにおカネが集まり、競技レベルが上がっていくのです。
(コレナガ提唱「DDBDサイクル(Drama→Dream→Business→Development」)

そしてここで言うビジネスの対象は「アジアサッカー」です。つまり、今大会の劇的な勝利がアジアへと目を向けることになり、クラブレベルに落とし込んだACLにつながり、ひいてはJリーグのさらなる発展、そして日本代表の強化へと開けてくるのです。

簡単に言えば、
アジアで勝つのはラクじゃない→アジアも意外とレベルが高いんだな→アジアも面白そうだな→あの選手良い選手だったな→どこのクラブに所属してるんだ?→ACLに出てるチームなのか!→ACLを見てみよう→Jリーグで出てるチームは…→Jクラブはやっぱりスゴイな→Jの試合を観に行こう→W杯のアジア予選も楽しみだ→もっと応援しよう→TVを見よう(視聴率向上)→スポンサーになってみようかな→競技環境の整備→競技力向上
(並べると長い道のり 笑)
という発想につながってくるかもしれません。

一つだけ言えることは「少子化=内需減少」の日本国内だけでは経済は停滞、つまりこれ以上のおカネをサッカーへと持ってくることは、非常に大きな労力が必要となります(不可能ではないと思いますが)。現実的にもかなり苦労しているクラブが多くあります。だからこそ、もっと強くなるために一つ大きなステップを踏んで、外国からおカネを集めなければならないのです。

先ほどのストーリーの途中段階でACLに目が向く流れになってくることは、日本国内だけでなく「アジア諸国からの見え方も大いに変わってくる」でしょう。そしてこれこそがJリーグが停滞を抜け出す大きなきっかけになると思っています。例えば、Jリーグ外国資本の禁止というルールを変革させる後押しになるでしょう。タイの乳飲料メーカーやインドの自動車メーカーがどこかのクラブのスポンサーになるかもしれない。そこに端を発してしてどこかのクラブが買収されるかもしれない(事の善し悪しは別の議論として)。

コレナガは欧州からおカネを持ってくるのは難しいけれど、アジアからは可能性があると思っていますし、実際にそういう感触を得ています。なぜなら、アジアにおけるプレミアリーグはJリーグだから。

欧州の企業たちは当たり前のように欧州のクラブに目が行くでしょう。注目度や歴史を鑑みても、どうせおカネを出すならば価値が高い(=価値を企業にもたらす)自国のリーグ、あるいは近隣諸国のリーグでしょうから。

けれども、その第一段階としてアジア諸国の目は向けることができるかもしれない。確かにアジアでは欧州リーグ、とりわけ囲い込みを戦略的に行ってきたプレミアリーグの人気は高い。一流クラブのオーナーがアジア出身というクラブもありますね。けれど、どのアジアの国に行っても「Jリーグがアジアで最も素晴らしいリーグだ」と賞賛されます。つまりそこに「憧れ(=ドリーム)」が生まれる可能性は非常に高い。そしてドリームが生まれれば、さらなるビジネスも生まれてくるのです。潜在的なこの層を、是非、実利として持ってきたい、と、いち日本サッカーファンとして願うのです。


巡り巡った話でしたが、だからやっぱり勝負には勝たないといけないし、勝つことで大きく広がる世界が間違いなくあったと思うのです。そういう面でも今大会の勝利は、日本サッカーの歴史から考えても非常に大きいし「ありがとう、日本代表」なのです。


さて、サッカーファンの皆さんからの大反響のため品薄状態が続いていましたが、ついにAmazonでも「在庫あり」になりました。↓
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Sunday, January 30, 2011

やっぱり、「ドーハの歓喜」って言いたいよね。

さて、先ほど無事にドーハからシンガポールに帰ってきました。
何というかやっぱり、行って良かったなあ、と。
今大会の日本代表は「応援したくなるチーム」ということに尽きました。
技術、戦術を超越した、ピッチを見ているだけでメンタル面での強さがビシビシ伝わってきたのです。
  • 試合終了まで戦う気持ちを全面に押し出すスピリット
  • 誰かのミスを責めるのではなく、肯定的にチームとして理解・修正できるメンタリティー
  • 横パスだけではなくタテを前提とした突破への果敢なチャレンジ
  • 負傷で離脱した選手たちを思いやることのできるハート
  • 「勝つ」ということへの飽くなき欲求
当たり前のことなんですが、
自分のプレーがどうの、という前にチームのプレーがあって、
「結果」が必要な世界の中で脇目も振らず全員がシビアにサッカーに取り組むことができる。
今までの代表チームに欠けていた面(敢えて言い切るけど)が、このチームではむしろ長所となっている。
それがとっても嬉しくて、ついつい声を荒げて応援してしまうのです。

選手たちをそういう方向へ導いたのはザッケローニ監督。
もちろん、選手たちが一皮も二皮もむけた南アフリカでの経験、
あるいは海外クラブでの日々という上積みも大いにあったことは間違いないでしょうが、
初の代表監督でのタイトルを奪取したザッケローニ監督の手腕は、
現時点では手放しで賞賛してもイイと思うのです。

アグレッシブな戦術でセリエAを席巻したザッケローニ監督のイメージが強すぎたけれど、
もしかしたら組織掌握の能力もものすごく高いんじゃないかなあ、と思ったのです。
そりゃ、ビッグクラブのとんでもなくワガママな選手も手なずけてきたわけだから、と考えれば納得。
試合当日の午前中にお会いした原強化委員長も、
「テストマッチがゼロでここまで来れたってのはスゴイよね」と。

どういう選手が実際に招集できるか一悶着ありそうだけれど、コパアメリカも実に楽しみだなあ。


それでは、試合に夢中でほとんど撮れてないけれど、写真でレビュー。
アジアカップに思ったことは明日以降。


今大会気になったのが、「空中カメラ」。
もしかしたら南アフリカ大会でもあったのかもしれないけど、
コレナガは現場で初めて観たので思いっきりビックリしました。
この空中カメラ、スタジアムの四隅からワイヤーで吊ってあって縦横だけでなく3次元で移動可能なシロモノ。
昨日の韓国戦の写真でもちろん、ファイナルでも大活躍。
円陣のときだけでなく…、


試合が少しでも途切れると「シャー」なんつって下の方に勢いよく降りてきます。
このシーンで高さ5mくらい?


PKのシーン。これなんて4mきってるだろ。危ない 笑
というか、誰が動かしてるのか。
プレステのコントローラみたいので動かしてるんだったらやってみたい 笑



さて、決戦の地、カリファスタジアム。
やっぱりスゴイスタジアムだな。これで陸上トラック付いてなければもっとイイのに。


多分、どっちが勝っても旗が売れればいい現地の方。


こちらの方も。
こうやって旗を売ってる人たちが50人くらいはスタジアムの周りにいたかな。


スタジアムの隣の塔。
昔、ドルアーガの塔っていうゲームがあってだな…。


スタジアムの中は全体的に日本びいき。
現地の子どもたちの日本への声援が響いていました。
「ホンダ!」、「カワシマ!」が人気高し。




《「ドーハの歓喜」の瞬間など大幅に省略 笑》


スタジアムに響き渡る祝福ソング!と言いたいところだったのだけれど、
勝利して最初にかかった曲が何か違和感あるなあということで、同行のT氏がiPhoneで調べたら、「VICTORY(PS2用ゲームソフトスーパーロボット大戦MXオープニング主題歌)」ってどんなセレクトなんだ 笑
大丈夫か、カタール 笑


表彰される直前の選手たち。
圧倒的に運営の段取りが悪い閉会式だったけど、勝ったからか選手たちもあんまり気にしてません。
本田圭と吉田が後ろでしばらく真面目な顔で話をしてたのが印象的。


サポーターからは「THANKS QATAR SEE YOU 2022」の横断幕。
こういうのをサラリと出せるフェアプレーセンスは世界中で日本人が一番あると思ってる。
招致で負けたとか関係ないよね。
誇らしい。


やっぱり気持ちいいなあ。
120分という表示もそれに輪をかけてくれる。


歓喜の瞬間。


こういうときの振る舞い、性格出るよなあ。


するとスタジアムの周辺から花火がドカンドカンドカンドカン!
多分8分くらい続いてたのでかなりの玉が夜空に打ち上がったと思われる。
見上げればスタジアムのアーチ状のところから炎が上がったり、とにかく派手。


でも、しばらくすると煙がこもってきて…


何も見えない…。
多分、あんまり何にも考えずに打ち上げてるんだろうな。


存在感が薄すぎて結局最後まで名前を覚えなかったマスコットたちも、
二つの意味で煙に巻かれる 笑


本田圭のインタビューも二つの意味で煙に巻かれる 笑


そして、空中カメラは一反木綿にメタモルフォーゼ 笑



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Saturday, January 29, 2011

ドーハ便り。

深夜2時くらいにシンガポールを出て、ドーハに到着したのは4時30分くらい。
ちなみに飛行機には7時間半くらい乗ってます。

サッカー界最強の営業マンとして崇め奉っている某T氏も急遽日本からドーハにやってくるという情報を知り、
とりあえず1時間くらい空港で待って、合流。
どちらからともなく申し合わせたように「じゃあ、とりあえず行きましょうか」と、
朝6:30から行き場所もない中で出かけた先は、
ドーハの悲劇となったアルアハリスタジアム(現地読みではそんな感じ)。
もう二度とあんなことが起こらないよう、「サッカー式厄払い」を一方的に開催して参りました。
(無論、現地にて許可を取って。)
まあ、皆さまご存知「あの瞬間」の完璧な再現が主な厄払いの方法で、
写真、ビデオにて各選手を見事に撮影した力作の数々を掲載したいのはヤマヤマなのですが、
あまりにリアルなため、現時点では躊躇しています 笑


朝焼けです。


スタンドは改修してるんですね。


「あの瞬間」のゴール裏です。



ホテルからの眺め。中心部じゃないですけど、これからぐんぐん開発進みそうです。


みんな祈ってます。


その後、いくつかの打ち合わせをこなし、明日の決勝戦が行われるカリファスタジアムに行ってきました。
日本代表の練習は見れませんでしたが、遠くから念を送ってきました。
それにしても立派なスタジアム。



本日の3位決定戦のチケットを買おうと隣接しているショッピングセンター内のカウンターに行くと、
明日のチケットはソールドアウトということでした。
ま あ、お店のお兄さん曰く、「明日来たら多分出てくるよ」とのこと。

もちろん、アジアカップ押しです。


イスラム女性もサッカーゲームを楽しんでます。


カタールリーグのシャツの数々。BURRDAというブランドの独占です。
マンUコーナーに押されて隅っこにありました。


どっかで見たことあると思ったらT氏の「ヴィーナスフォートのまんまじゃん!」で思い出しました。


土産店にて。招致成功効果。


3位決定戦の会場はアルサードスタジアム。


15,000人くらいの収容数だけど、雰囲気がすごく良い。ピッチが近い。


この日の主審はシンガポール人のAbdul Malik。Sリーグでも笛吹いてます。
コレナガも親交のある人物なので、この大舞台はとっても嬉しい。


ウズベクの2点目はオフサイド臭かったけど。


全体的には大きな問題なし。Malik、良かったぞ。


パク・チソンの胴上げ。やっぱりラストなんでしょうね…。


たぶん現地サムソンで働くお兄さん。かなりの動員がかけられてました。


「人工芝ベスト」を着用した流行最先端オジサン。



明日は勝つぞー。

Thursday, January 27, 2011

ファイナル=祭り。

本日夜の便でカタールに参戦します。
昨日決めて航空券を取ったので、
昨晩、奥の方にしまってあった代表ユニを洗濯しました。
よかった、思い出して 笑

どんな大会でもそうなんですけど、ファイナルは「祭り」だと思うんですね。
ヨーロッパなんかでも「ファイナル」に出場するのはそれだけで栄誉だし、
演出とか警備とかかけるお金などなど色んなところで「試合の格」に差をつけるわけです。

ましてや今大会は、レフェリーの疑惑の判定、激しいタックル、主力の怪我などなど、
多くの問題を乗り越えて満身創痍で決勝まで辿り着いたという感慨もあったりとかして。
(まあ、どんなトーナメントにも色んなドラマがありますけど)
いちサッカーファンとしては、そんな「祭り」の瞬間を、ただただ選手たちと味わいたいんですね。
できるだけ近くで。

もちろんこの試合は、日本が「アジア最強」と知らしめるには絶好の機会です。
特有の優しさからか一般的には「詰めが甘い」とされる多くの日本人たちに、
情熱と誇りを持って「何としてでも勝つ」という姿勢と結果を見せてもらいたい。

でも、また戻るけど、最後の試合(=決勝)まで戦えるのは全参加チームで2チームしかない。
それはそれで景気よく祝わなくてはならないと思うのです。

だから何だというわけでもないし、ホテルも取ってませんし、お金の単位もまだ知りませんが、
とりあえず、行ってきます。

Wednesday, January 26, 2011

サン・シーロの思い出。

本日、時折雷の混じる雨の中ではあったが、トレーニングマッチがあった。
で、昨季は我々よりも一つ上の順位だったGombakを前半だけで4-0と一蹴。
中央からサイドからやりたい放題で、もうハッキリ言ってチンチンであったわけです。
ベストメンバー相手に内容も素晴らしく、「これが本番ならなあ」と何度思ったことか。
けれど、本番は相手の執着心が凄まじいので。
こんな試合がリーグ戦の中でもあると思わんでくれ、選手たち。

とりあえず、動画。




さて、そんな帰り道、何故か数年前の「ある試合」をぼんやりと思い出しながら、
もう降り止みそうになっていた小雨の中を駅から歩いて帰ってきた。

確かあれ、コッパイタリアの準々決勝だと思ったのだが。
サン・シーロでのミランの試合だったことは覚えていて、
相手は確か、ウディネーゼだったような気がする。
あれ、違うかな?でも、そんなにムチャクチャ強いチームじゃなかったのは確かなはず。
行く前に「どうしようかなあ。行くの止めようかなあ。寒いし」と思っていたから。
そうそう、その日はスゴイ寒かったんだ。
カメラを持つ手が3秒くらいでピリピリになるくらい。

うーん、でもあれ、ウディネで合ってるかなあ。
確かにその対戦相手に日本人絡みな印象は全くなかったから、
レッジーナとかベネチアとかメッシーナとかジェノアとかパルマとかローマとかではなかったような気がする。
さらに、からっとしたイメージも無かったから、レッチェとかナポリとかバーリとかパレルモとか、
とにかく南イタリアのチームではなかったような気がする。
うん。たぶんウディネだな。

そして、そうだ。あの試合、1,500人くらいしか観客がいなかったんだ。
「こんな観客数ってサン・シーロであり得るのか?」ってアホみたいに寒いスタジアムで、
ミランがメディア用に出してくれた赤ワインを呑んで何とかピッチに集中してるとき、
ふとスタンドを見たら発煙筒を一生懸命焚いてるサポーターがいたっけ。
「1,500人なのに!」と驚愕して、その直後に「ああ。多分寒いんだな」とニヤついた記憶がある。

あれ、何であの試合を思い出してるんだ?

ああ、そうか。
思い出した。

試合開始前のサンシーロの周りがいつになく空いていて、
いつもだったら人混みでそれどころじゃないのに、
スタジアムの前の広場でボールを蹴って遊んでいる5人くらいの若者たちがいたんだ。
ちょっと、いや、かなり、悪そうなヤツら。

「イヤな雰囲気だなあ」と思いながらも、
普段は混雑していてなかなか落ち着いて撮れないサン・シーロを色んな角度で撮ってたんだ。

そしたら頭の横をサッカーボールがスゴいスピードで後ろから前に抜けていった。
耳のそばで「ぶん!」て音がした。
振り返れば5人が立ち止まってニヤニヤしている。
そしたら壁に当たって帰ってきたボールををもう一度こっち目がけて蹴飛ばしてきた。
「中国人!」と叫びながら。
今度は頭上を大きく超えていった。
力みすぎたのかな。

こちらも188cmの巨体だ。
海外でもそうそう絡まれたことはないのだが、珍しい。
別にコレナガが中国人であろうが日本人であろうがそんなことはどうでもよくって、
そんなことを彼らに主張したいわけではなくて、ただただひたすらに頭に来た。
写真を撮るのを止めてキッと睨みつけて無言でスタジアムに入っていくと、
しばらくのあいだ背中に「中国人!中国人!」という挑発が突き刺さり続けた――。

それ以来、ミランはあんまり好きじゃない。
もちろん、彼らはただそこにいただけで、ミラニスタじゃないかもしれないけど。


で、何でそんなことを急に思い出したのかなあ、なんてよくよく考えてみたら、
アレだ、アレ。
昨日の日韓戦で韓国の1点目となるPKを決めたキ・ソンヨンがサルのポーズで日本を挑発した、
アレがきっかけだったかもしれないなあ、と思ったのです。

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Tuesday, January 25, 2011

おいおい、負ける気がしないぞ。

いやあ、実にスバラシイ。
「全く問題無い!」と言っておいてよかった
こんなに負ける気がしない日本代表は実に久しぶり。
そして、こんなに応援したくなる日本代表も久しぶりなのです。

120分、そしてPK。
「何が何でも勝つ!」という気持ちが一つ一つのプレーに乗り移っているようで、
ジョホールバルの奇跡を起こしたときのチームのような不思議な一体感と勢いを感じますなあ。

PKのシーンでも「え?何でもっと緊張してないの?」と思えるほどの余裕を選手たちに感じるわけです。
やっぱり海外で「頼るべきモノ」が少ない中でリアルな戦いを経験している選手というのは、
こういうギリギリの勝負の場面で本領を発揮するんだなあ、と。
選手たちよ、もっとシンガポールにも来てくれ。
ホントにいいぞ。

さて、両国とも緊迫したスコアとは裏腹にレフェリーの判定に翻弄される内容となったわけだけど、
局面局面でのアイデアと技術、そしてゴールへ通じるロジックはやはり日本の方が遥かに上。
こっちのESPNの中継では前半が終わったときに
「日本のサッカーはスバラシイ!とてもファンタスティックでチェスを見ているようだ!ダイレクトパスの数々が…」
とひたすらに日本をベタ褒めしていましたね。
それくらい前半の日本のスタイルはアジアでは突出したスキルフルなサッカーだとコレナガも思うのです。

けれど一昨日も書いたように
サッカーは良いサッカーをすれば勝てるスポーツではないわけで。
「この内容では負けるわけがない」と思いながらも、延長後半終了間際に同点に追いついてくるあたり、
月並みですが韓国の「底力」を感じざるを得ません。
あの国は、強い。

まあでも、日本が追い詰められていたかと言えばそんなことはないわけで。
ちょっと余裕を持った上での勝利だと感じた。
スコアは危険だったけど 笑

意外にも日本で目立ったのは内田。
もちろん、良い意味で。
特に自陣でのゲームメイキングにすんばらしい成長を感じたわけです。
正確なテクニックをベースに、強弱を巧みに利用しながら、横パス、縦パスでゲームを組み立てる。
また、的確な攻撃参加のタイミング、豊富なクロスのパターンなどの長所はさらにグレードアップ。
ブンデスリーガで得たモノはムチャクチャ多そう。
少なくとも今まで見た日本代表で、あれほど安定した右サイドバックは記憶にないなあ。

(あ、本田圭、長友、岡崎はスーパーでした)

ただ一つ「うーん」と思ってしまったのが、1点リードの場面で投入された本田拓のプレー。
延長後半残り3分くらい。
フリーで受けたこぼれダマをダイレクトで前線に送った場面があったのですが、アレがいただけない。
直前に本田圭と長友がコーナー付近で時間稼ぎをして二人で3分ほど時間を使ったのに、
「こりゃもう完全にクローズだな。パーフェクトだ」と思っていたとき、こぼれダマが本田拓の足下へ。
そこで何故か、ダイレクトで前線にボールを放り込んだわけですね。
しかも、中央へ。
「良いとこ見せてやる」と、色気を出したわけではないだろうけど、
アレはちょっと良くなかった。
あのプレーから流れが変わって、韓国にやらずもがなの同点弾を叩き込まれてしまった。
そもそも状況判断が悪い選手だとは思っていないので、
一言で言ってしまえばアレほどの「鉄火場」に慣れてないってことなんでしょうけど、
投入された意味と周りを見る余裕を見失っていたような気が。
その後も不用意なファウルなど、あの時間帯では自らを追い込んでしまうようなプレー。
うーん。

大学のときに彼のプレーを西が丘で見て「お!新時代到来!」と思ったのを鮮明に覚えているので、
次回に大期待なのです。


ともあれ、見事に決勝に進んだ日本代表。
実は試合の途中から、スケジュール変更を検討したり、航空券の値段をチェックしています。
うーん。
ちょっと行けそうなだけに、迷う。
0泊2日だけど 笑

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Monday, January 24, 2011

ジャイアントキリングを起こす19の方法。

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そういえば発売から1ヶ月も経ったのにまだ告知もしていなかったなあ、と。
共著で本、書きました。
予想以上の大好評のためAmazonはおろかどの書店でも品薄状態になっているらしく、
「ああ、書いて良かったなあ」と思っているのです。

そう言えばこれまで編集長として雑誌を出したりCDを出したり(オリコン初登場124位! 笑)はしてきましたが、
本って書いたことがなかったんですね。
だから締切りから微妙に(あくまで微妙に)遅れた、という言い訳にするつもりはないのですが、
締切り間際にシンガポールに遊びに来た某Iさんが、
「オレまだ書いてない!はっはっはー!」と爆笑してたのを鵜呑みにしてほっと安心したは良いけれど、
直後に中林編集長から「あとはコレナガさん待ちなんで」と電話をもらって背筋が寒くなったのは忘れません。

3年半くらい前、まだこの仕事に就く前に、
Podcastで「ジャイアントキリングというスゴイ漫画が始まった!」と大興奮して以来、
常に「単行本発売→購入→大興奮→待ち遠しい」というサイクルを楽しんでいたので、
原稿書くために何度も読み返しても個人的には感無量というか、
「いやあ、ジャイキリ好きで良かったなあ」と思ったのです。

中林編集長から連絡をもらったとき「呑み仲間で本を作ってもいいのだろうか?」なんて思っていたのだけれど、
よくよく考えれば他の皆さまは物書きのプロフェッショナルなわけで、実に読み応えのある内容になってます。

そもそもこの本のテーマは「マンガとリアルとの融合」みたいな感じで、実にパラレルワールド。
ターゲットが「サッカー好きだけどジャイキリ読んだことない人」とか「サッカーもジャイキリも好きな人」なので、
サッカーが好きであれば誰でも楽しめる内容になっています。
サッカー業界の裏側も全方位的に散りばめられているので、
これから業界入りを目指す若い方々にも刺激的な内容かと。

コレナガは巻末の方にアルビレックス新潟シンガポールを事例にした原稿を30Pちょっと書いてます。
  • 全然3部に分かれてないじゃん?(もともと1人3部の構成だった)
  • ただのアルビSのクラブ紹介じゃん?
  • ジャイキリ関係ないよね?
などと打ち上げでは共著の皆さんに叩かれましたが、
なかなか表にならない貴重な事例ですので、いわゆるオマケ的な感覚で読んでもらえるとありがたいです。


以下、Amazonよりコピペ。

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内容紹介

大人気サッカーコミック 『ジャイアントキリング』 を、
大御所・気鋭のサッカー人がプロ目線で徹底的に読み解く!!


日本サッカーに“今”求められているものとは何なのか?
ETU監督の達海猛は選手にこう語りかける―
「お前ん中のジャイアントキリングを起こせ」


幅広い層から支持される人気コミックをリアルサッカーと対比。
戦術、育成、監督論から、経営、広報……超豪華執筆陣が様々な切り口でETUを解剖!
作中の印象的なシーンも多数掲載!


【目次】
プロローグ 「ジャイアントキリングという発想」 … 岡田康宏
巻頭 ETU達海猛監督 バーチャル・インタビュー … 岩本義弘
第1章 達海猛のメンタルコントロール … 田中滋
第2賞 達海猛と弱者の戦略 … 岡田康宏
第3章 椿大介に見る、抜擢とブレイクの相関関係 … 川端暁彦
第4章 ひとつのクラブで戦い続けるミスターETU村越茂幸 … 土屋雅史
第5章 フリーライター・藤澤桂はどうやって生活しているのか? … 北健一郎
第6章 ETUのアイドル永田有里と広報のお仕事 … 北健一郎
第7章 達海猛から椿大介へ。ETU7番の系譜 … 岩本義弘
第8章 後藤GMと常勝チームの作り方 … 田中滋
第9章 笠野スカウトに見る、日本サッカーの現実 … 川端暁彦
第10章 日本における最高のファンタジスタ、ルイジ吉田 … 岩本義弘
第11章 平泉監督と監督の言葉 … 岡田康宏
第12章 FWのポジションを争う世良、堺、夏木のライバル関係 … 土屋雅史
第13章 ETUの守護神・緑川宏のGKテクニック … 北健一郎
第14章 赤崎遼が示す年代別代表のメリット・デメリット … 川端暁彦
第15章 ベテラン丹波の存在感 … 田中滋
第16章 ユナイテッド・スカルズとサポーターという生き方 … 岡田康宏
第17章 クラブ経営はつらいよ。ETUとアルビSの経営論 … 是永大輔
コラム 名古屋×ETU 試合レビュー … 土屋雅史

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Sunday, January 23, 2011

韓国は全く怖くない、けれど。

昨晩は次の日本の対戦相手となるイランvs韓国の試合を観ていました。
延長戦にまでもつれ込む激しい展開だったのですが、感想を一言で言えば「あれれ?」、と。

序盤から凄まじい圧力で攻め立てる韓国。
相変わらずの突破力やフィジカルを最初から全開で見せてくれたので、
「こりゃ少々何かがあっても韓国勝つだろうなあ」とは思っていましたが、
全体的にオラオラ一辺倒なわけです。
サッカーの質自体が低いというか、サッカーを探求している感があんまりないのですね。
(ここで言う「質」は面白い面白くないではなく、勝利を目的とした場合のサッカーの「質」。)

「個人能力」、「縦」という二つのキーワードを持ったスタイル自体は歴史上の韓国代表と何ら変わりないけれど
それにしたってあまりにも約束事や連動性が欠片もなく、個人が勝手にやり過ぎている感。
「ドリブル突破→ひっかかる→こぼれダマ拾う→ドリブル突破→パスコース探す」
みたいな、その場凌ぎかつ後追い判断的な攻撃が散見。
南アW杯の韓国代表の方が面白かったですね。

対して、今の日本代表の選手たちはアイデアが一つの方向を向いている気がするんですね。
つまりは代表チームでありながらも約束事が少しは見える。
少なくとも個人のアイデアのみでサッカーをしているわけではない。
最近は3人目の動きも実にスムーズになってきましたし。

まとめると、現時点では個人の能力は韓国代表の方がありそうですけど、
総合力では日本の方が上。しかも、かなり上。
だからたぶん、普通にやれば負けません。
全く怖くありません。
はい。

おそらくテーマとなるのが、前回も書いたようにロングボールかと。
カタールやこれまでの相手とは違い、韓国は能力自体は日本と五分またはそれ以上。
なので展開としては圧倒的に日本が押し込むことにはならないと思われます。
つまり、カウンターのチャンスが生まれやすくなるので、
トランジションで積極的にロングボールを狙ってイイ相手です。

狙い所は両サイドバックの裏のスペース。
幸い、日本代表には攻撃面で最も決定的な場面を作り出せる香川が左サイドにいます。
対面のチャ・ドゥリは前には強いけれど後ろには弱い選手。
ボールを奪ったら、カウンター気味にここの香川、あるいは逆サイドの岡崎を狙って欲しい。
あるいはシリア戦の1点目のように本田圭がここに流れてもイイ。
とにかく、この辺りの組み合わせの妙で日本はさらに優位に立てるはず。


けれど、ここまで言っておきながら、
サッカーは良いサッカーをすれば勝てるスポーツではない、と改めて。
ルールは「それぞれのゴールにボールが入った数が多い方が勝ち」という極めてシンプル。
日本代表の選手たちがあまりに戦術やスタイルに固執すると、韓国のなりふり構わぬ圧倒的な圧力に呑まれてしまう。
それはやっぱりイヤだなあ。

けれど、です。
昨日も書きましたが、現在の日本代表からは「絶対勝つ!形にはこだわらん!」という雰囲気がビシビシ伝わってくるので、その辺りでも韓国と同等以上の戦いを見せてくれるはず。
海外のもっと厳しい場面で揉まれている選手ばかりなので、「全く問題ない!」と期待してしまうのです。

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