Sunday, June 10, 2012

おとぎ話の国で。


「まるでおとぎ話のよう」と、バルト三国の一つであるエストニアの首都、
タリンを訪れた人々は言います。
旧市街の込み入った道をかき分けるように歩けば、
目に入るのは青い空、白塗の壁、レンガの塔。
晴天でのコントラストが素晴らしく、夢心地。

冬場はマイナス20℃にもなるそうですからちょっと二の足を踏みますが、
6月から9月にかけては旅行者のハイシーズンで、
ヨーロッパ各地からたくさんの観光客が訪れるそうです。

現在のところバルト三国で最も経済的に成功した国であるエストニアは、
Skypeの開発本部があるなど、見所は旧市街にとどまらずビジネスの世界も。
経済活動の自由度を表すEconomic Freedomという指標でも上位におり(日本より遥か上!)、
外貨を積極的に受け入れる姿勢が、小さな国家を発展させてきました。

そんな街で元アルビS戦士、
和久井秀俊というプロサッカー選手がプレーしています。

ブラジルからアルビレックス新潟に加入。
2004、2005シーズンのアルビS戦士であり、
その後スロベニア、オーストリア、チェコ、ベラルーシを渡り歩き、
現在はエストニアのNõmme Kaljuというチームでプレーしています。

昨年末だったかもうちょっと前だったか定かではありませんが、
驚異的なペースでサッカー本を出版しまくっている、
今をときめく東邦出版の中林編集長宅でお会いしたのが初めて。
というか、そのときだけ。
コレナガとはアルビS時代がかぶっていないので、
プレーを観たことがありませんでした。

今回、エストニアのお隣、ラトビアで仕事があったので、
エストニアのサッカー事情、
そして和久井秀俊という選手はどんなプレーをするのか、
そんなことを知りたくてちょっと足を伸ばしてみました。

はたして、ボランチで出場した和久井秀俊は、
予想していた以上に素晴らしい選手でした。

カバーリングに見られる賢さ、
ワンタッチ、ツータッチでポンポンと試合のリズムを作る技術の高さ、
そして機を見たタイミングでゴール前に突っ込むアグレッシブさ。

実際にこの試合の唯一の得点となる前半3分の和久井のゴールは、
自軍選手がカウンター気味に右サイドを突破するや否や、
ボランチの位置からゴール前に突っ込み、
ファーサイドに流れてきたボールをダイビングヘッド。
素晴らしいゴールでした。

最近コレナガは、実際に海外クラブや代理人から話を聞いて、
「海外で通用する日本人選手の条件」は、
以下の3つではないかと思っています。

賢さ
技術の高さ
アグレッシブさ

開始早々、その3つを見事に兼ね備えたゴールを見せてくれて、
これはもう、海外でやれないわけはない、と。
そう思ったわけです。

また、エストニア代表選手を抱えるNõmme Kaljuのレベルは、
これまた想像以上に高かったのが驚きでした。
マイボールを大事にしながら、DFラインから丁寧に組み立て、
強靭な2トップにくさびを当てつつ、中盤の選手の飛び出しを狙う…。

これまでヨーロッパの色んな国でリーグ戦を見てきましたが、
そのほとんどがいわゆる「縦ポン」サッカー。
とりあえず体張って守って、強力なFW陣にロングボールを。
いわゆる「つなぐ」イメージが浸透しているスペインやポルトガルでも、
上位チームを除く、あるいは下部リーグに行けば、基本「縦ポン」です。

しかし、Nõmme Kaljuは違いました。
さすが、ヨーロッパリーグに出場するだけのことはあります。
もちろん、中盤で潤滑油となっていた和久井秀俊の存在があってこそ、だと思います。

ただ、本人は、
「アフリカ方面の代表選手が欠けてるので、ベストメンバーではもうちょっと強いです。ただ、ヨーロッパリーグに出るとちょっと力の違いを感じてしまいます」
とのこと。

試合後、一緒にご飯を食べたときに言っていた、
「自分は代表どころか県選抜すらなったことがない、そういう存在なので、ゼロからどこまで行けるかということを示したいんですね」
という言葉に感銘を受けました。

もう10年も海外でプロサッカー選手を続けている和久井秀俊という選手は、
自身がすでに日本人選手のモデルケースであるのと同時に、
本人もそのことを強く意識しています。

素晴らしい選手、かつ、大きな志を持った人間。
「45歳までサッカーを続ける」と言っていたので、
これからも陰ながら応援させてもらいたいと思っています。


そうそう、彼は「国境を越えたゴール」というプロジェクトをはじめました。
1ゴールあたり1つのブラインドサッカーボールを特別支援学校に寄付するという活動です。
この日がプロジェクト開始から初めてのゴールだったので、
本格的にスタートした記念すべき日だったわけです。



美しいタリンの街並み。








試合の行われたKadrioru Stadium。





開始3分で和久井のダイビングヘッドで先制!








サポーター。黒とピンクがクラブカラー。








守備でも奮闘。


見よ!この気持ちよさ!


お忙しいところありがとうございました!

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