Friday, March 30, 2012

情熱と使命感。



クラブとして大きなステップだと思うのですが、
実はこの決断、コレナガの中では結構な葛藤がありました。

そもそもアルビSのトップチームは全員日本人です。
そしてシンガポールに住んでいる日本人で高校卒業してそのままシンガポールにいる人も稀、
サッカーでご飯を食べていこうと思っている人も稀。
一方で育てたシンガポール人はトップチームに登録できない。
よって根本的に下部組織は必要ないんですね。

もちろん、
  • アルビファミリーを増やす
  • シンガポールへの貢献
という意味合いもあるのでずっとやりたかったジャンルではあるのですが、
当然コストもかかってくるわけで、リスクを測った中での全体の中での優先順位は低くなっていました。

けれどもサッカースクールの責任者をしてもらっているタニグチと、
かなり前から文字通り喧々諤々の議論をずーっと続けてきて、
ようやく一歩を踏み出す気になりました。
やるからには全力サポートです。


これまで「うーん」と唸り続けてきたコレナガの心を動かしたのは、
タニグチの「情熱」です。

タニグチとの付き合いはもう5年目を迎えているけれど、
彼がこんなに「こだわった」のを見たのは初めてでした。
ああ、ちょっと表現が違うな。
彼はいつもこだわっているんですが、今回は特に強烈でした。
かなり土壇場で「やっぱり難しいなあ」と結論めいたことを言ったら、
へそ曲げてしばらく口を聞かなくなるくらい 笑。


加えてタニグチは常にミッションを心の中に持っています。
「使命感」、ですね。
  • 一人でも多くの子どもたちにサッカーの楽しさを伝えたい。
彼の良さはホント、これに尽きます。
タニグチ自身はプレーで魅せれるコーチではないのですが、
その分、一生懸命に毎日様々な指導方法を研究しています。
使命感が突き動かしているのでしょう。

また、上記URLを参考にしてもらいたいのですが、
≪活動理念≫
【サッカーを通じた人間形成・育成】
・サッカーだけではなく、サッカーという活動の中でOn the pitch/Off the pitch、
両面で当たり前のことを身につけていく。
こういうことが誰に言われなくても普通に出てくるわけです。


「コーチのお話を聞かない」「集合が遅い」「練習をしないでふざけてしまう」
このような子どもがいます。
しかしそれは決して悪気のあってしている事ではなく、子どもの特徴のひとつ。
我慢をしてコーチの話を無理やり聞いても、頭には入っていません。

子どもたちには叱るのではなく、気づかせる。答えを教えるのではなく、ヒントを与える。
サッカーを通して子どもたちが自ら考え、自ら学ぶ。
リズム感やバランス感覚だけでなく、チームプレイでの助け合いや粘り強さ、勝つ喜びや負ける悔しさを知る。
それが、心の成長だと考えます。

これはクラブで設定したことですが、
これに則りながらブレイクダウンしてスクールの運営を進めてくれています。


ちょっと蛇足ですが、
「何のためにやるのか」というのを何かを始める前にきっちりと決めておく。
決してノリで決めない。
こうやって決めた着地点は実に明確で、失敗した時に振り返れるんですね。
(もちろん、数字も同様に設定しなければなりません。)
そして、振り返れると同じ過ちを繰り返さない。
そうやって仕事の精度は上がっていくものだと思っています。


「情熱」と「使命感」を持って取り組む仕事は、良くならないわけがない、と思うのです。
この事業がどうなっていくのか、非常に楽しみです。



↓たまたまタイムリーな並木さんのこれに関連した面白そうな本。読んでみようっと。

ミッションからはじめよう!
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Wednesday, March 14, 2012

オトナなコドモ。


この間も書いたことだけど、
3月9日からシンガポールU-15,U-16,U-17の少年たち5人が、
アルビユースやJAPANサッカーカレッジの練習に参加するために新潟に来ている。

コレナガはブルネイ遠征のために本日から新潟に来たのだが、
JAPANサッカーカレッジの皆さんをはじめとした新潟の皆さんと、
スタッフタナカの持ち前の丁寧さによって少年たちも大満足な新潟遠征となっている。

↓写真満載の詳細は以下。





上記Blogの中にも説明があるのだが、
新聞やTVにも数多く取り上げられ、本当にありがたい。
日本とシンガポールのスポーツツーリズムという潮流を作るための、
本当にこれが一つのきっかけになるんじゃないか、と感じている。
いや、最初からそのつもりでやっているのだけど。


で、本日。
記者会見があったのだが、その中での少年たちの受け答えがスゴかった。

一人ひとりコメントをという流れで、
「このような機会を作ってくれたアルビレックス新潟シンガポールや協力してくれた皆さんに感謝したい」
「実現できたのはスポンサーの皆さんのおかげだと思っている」
「シンガポールに帰ってこの経験をシェアしたい」
「この経験を将来のシンガポールサッカーに役立てたい」
中学校卒業したくらいの少年たちが真っ直ぐな目で言うわけです。
どれだけオトナなんだ、と、教育レベルと意識の高さに感動してしまった。

さらに、
「日本人は僕たちを尊敬してくれて、温かく迎え入れてくれる。人種や言葉の違いも気にしないでくれる。本当にいい経験をさせてもらっている」
と言った時に「これだ、これをやりたかったんだ!」って、ウルウル来てしまった。


…と思えば、コドモの顔だってある。

夕食時に明日のスケジュールをスタッフタナカが説明しているとき。
タ「15時30分からは…、」
シ「スキー!」
タ「いやいや、アルビユースの練習に参加して、その後19時からは…、」
シ「カラオケ!」
タ「いやいや、地元の小学校と交流をします。」
みたいな。

小学校のときのノリを思い出すぜ。


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Tuesday, March 13, 2012

世界に羽ばたく卒業生たち。

アルビレックス新潟シンガポールのスローガンは「The reason.」。
コレナガがシンガポールに来た5シーズン前に作って、それ以来一回も変えていない。

直訳すれば「理由」。
それまでクラブに存在意義がなかった、と言ったら誇張かもしれないけれど、
たとえ無くなったとしても困るヒトはあんまりいなかったような気がする。
だったらそれを作ってやろうぜ、と。

自分たちの存在意義を作るために、選手、スタッフそれぞれが、
それぞれの「理由」に向かって真っ直ぐ全力を尽くすことがこのクラブには必要だな、という想い。

「ここはステップだ。サッカー選手という職業は世界中にある。アジアでもヨーロッパでも好きなところに行きなさい。その後押しは必ずする」
と、クラブに所属する全ての選手たちにそう話してきた。

日本では「サッカー選手でメシを食う」というのは、
たとえJリーグの選手になれたとしても、
大きいクラブに所属する、もしくは試合に出れる環境にないと現実的ではない状況。
実は。

でも、アジアやヨーロッパでは、そのハードルは日本よりも低い。
しかも日本で認められなかったプレーが海外では重宝されることだってある。


もしかしたら、その最たる例が三木健かもしれません。

もともといわゆるサッカー的に目立った経歴を持たずにアルビSに入団した三木。
彼が所属した2009シーズンはポジション的な問題もあり、
アルビSでの出場機会は多くなかった。
多くの人達が彼がプロとしてサッカーを続けることは困難だと感じていたかもしれない。

けれど、彼は大げさでなく一瞬も諦めなかった。
面談のとき「どうしたら海外でプレーできるか」と聞かれたので、
「ウチのクラブにも世界の何処かから毎日届くんだけど、Youtubeに自分のプレーを載せてURLとレジュメをメールで送ってくる選手がいる。どうしても挑戦したいんだったら、諦めることなく100や200のクラブに送ってみたらどう?連絡先はWEBで調べられるし」
と言ったら、早速それを実行するどころか、
加えて、自分自身で英語で解説を入れていた。

もちろん、英語で解説を加えていた方がプレーが分かりやすいだけでなく、
少なくとも三木本人が英語でコミュニケーションを取れるということが伝わる。
それだけで「日本人は言葉が…」という色眼鏡を外してくれるかもしれない。

こういう例からも、三木は最後まで決して諦めないという我慢強さと、
「相手の必要としていることを実行する」という能力を持っているため、
ここまでプレーを続けられているんだと思う。


その他にも、今年はウチで海外の扉を開いた多くの選手たちが世界中で新天地を求めている。
…、これだけじゃなく、まだまだまだまだ、アジアやヨーロッパにいる。
現在、欧州やアジアで活躍している選手たちで、
アルビレックス新潟シンガポールに所属していた選手がどれほど多いことか。
そういう野心を持ったたくさんの若者たちに会えるので、
コレナガもこのクラブに携わらせてもらっていることに誇りを持っている。

ウチのクラブでファーストステップを踏んで、現在もプロとして立派に活躍している選手たち。
その経歴は、Jクラブを経験した選手、そうじゃない選手、様々だ。
自信を持って毎日の努力を惜しまず、最後まで諦めなかった選手が、
海外でサッカー選手でメシを食う、という夢を掴んでいる。

さらに指導者にも挑戦者がいる。
昨年コーチとして貢献してくれていた小林力もヨーロッパへプロの指導者として旅立った。


こういう選手やスタッフたちがたくさん出てくればくるほど、
これからも世界に挑む若者たちを作り続けるんだ!という気持ちはさらに強くなる。

ご飯をご馳走するために色んな国にも遊びに行けるしね。笑



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Wednesday, March 07, 2012

ブルネイトリップ。

「3月9日からはじまるU-15,16,17のシンガポール代表がアルビレックス新潟ユースに練習参加させてもらう企画」(以下、遠征企画w)も皆さまのご協力のおかげで順調に進んでおります。

特に(いつも)全面協力してもらっているJAPANサッカーカレッジさん、ありがとうございます。
上を目指している選手たちだけではなく、ビジネス科にも優秀な学生たちが多いので、
今後、彼らの多くは日本だけでなく世界へと飛び出していくんでしょうね。
皆さんと会って話をするだけで面白いです。


さて、3月11日にブルネイでDPMMとのリーグ戦があります。
10日にはシンガポールを出発し、12日には帰ってくるというスケジュール。
ここまで開幕3連勝と結果を残しているチームですが、
次が前半戦の山場だなあ、と勝手に思っています。
王族の持つ強豪クラブDPMMは2009シーズンにSリーグに参戦し、
早速その年にリーグカップのタイトルを取ったり上位争いをしていたのですが、
FIFAから「王族がFAの運営に携わってはいけない」という警告があり、ブルネイのFAがFIFAから除名処分。
結果、シーズン途中でSリーグからいなくなるというヘンな流れになりました。

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↑にも書かせてもらいましたが、2009年に行ったときもブルネイという国はのんびりしてて平和で「また行きたいなー」と思っておりましたので、とても嬉しいのです。

「国際貢献活動」と言うと大げさですが、
サッカークラブが国を渡ったからには何かしら足跡を残すつもりです。
詳しくは、また。

ブルネイから帰ってきた翌日には新潟へレッツゴー、
新潟から帰ってきた日にHarimau Muda(こないだ関塚ジャパンと戦ったU-23マレーシア代表)との試合がありますんで、
何となく自分の中でも、ここ、勝負どころです!

Thursday, March 01, 2012

スポーツツーリズム。

いやはや、目の回るように忙しかった1月、2月でした。

けれど、いくつか講演などさせていただく中で自分自身を振り返ることができたりとかして、
非常に充実してました。かなり濃い毎日。
今年はクラブの編成という根本を大きく変える年なので、
ベースの部分が置き去りにならないようにしなくてはと思いつつ、
「ああ、もう少し器用にやれんのか」と自戒中。

で、突然ですが、この2ヶ月くらいの最も大きい個人的なトピックが、
スポーツツーリズムなんですね。

おかげさまであちこちと世界を旅することが多いのだけれど、
コレナガの場合は基本、「サッカー」のある場所にしか行きません。
でも「サッカー」を観に行っているのに、
その土地のご飯が気に入ったり雰囲気が好きになったり、
色々と出てくる副産物がいつの間にか目的となってしまうこともしばしば。

スポーツツーリズムの定義ってなんじゃらほい?
ってことは個人的に勉強しなければならないことではあるんですけど、
経験で言えば、いつの間にか目的が副産物とイコールに、
あるいは入れ替わることだって往々にしてあると思ってます。
例えばコレナガは、バルセロナにはもちろんサッカーのために行っていたのですが、
最近は「やしま」の美味い寿司を食べに行くために行っているような気がしてなりません 笑

さて先日、記者会見をセッティングしてもらって、
コレナガ入魂の企画を説明させていただきました。

3月9日〜18日、シンガポールのU-15、16、17の代表選手を新潟に連れていきます。
アルビレックス新潟ユースやJAPANサッカーカレッジの練習に参加してもらうことが、
今回の最初の目的です。

まあでも、それで終わらせるわけには行きません。
サッカーは世界をつなぎます。

おそらくアジア有数の総合型スポーツクラブである「アルビレックス」を感じてもらったり、
新潟の特産品を食べてもらったり、工場見学をしてもらったり、スキーもしてもらいます。

新潟にはですね、
米、魚、酒、温泉、そして雪という、
今やアジア最強の観光大国北海道にも勝るとも劣らないベースの魅力があるわけです。
でも上手く伝わらない。
であれば、「総合型スポーツクラブ」という他所にないトンガッた部分を全面に出して、
ついでに魅力を感じてもらえたら、もしかしたら新潟をムチャクチャ気に入ってくれて、
「また行こうか」とか、「アルビレックスを目指そうか」とか、
そんなことが起こるかもしれない。

少なくとも今回はシンガポールの新聞記者も同行するので、
スピーカーとしてはかなり活躍してくれるはずです。
もちろん、選手たちもシンガポールに変えれば「新潟」の話をたくさんするでしょう。
そうやって少しづつでも盛り上がっていけばいいなあ、
これがスポーツの交流の魅力だと思います。

これから人口減少の一途を辿るニッポン。
どうやって海外から「ヒト・モノ・カネ」を得るかが生命線になります。
そういう意味でインバウンドは実に可能性の高いジャンルだと思ってます。

TVでも流してもらったので、
少しでもこの企画が新潟とシンガポールの架け橋になれるよう、がんばります。


サッカーってスゴイ、世界をつなぐ、
ってホントに思ってます。